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歯周ポケットが深いと言われたら?歯周外科治療が必要になるケースを解説

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歯周ポケットが深いと言われたら?歯周外科治療が必要になるケースを解説

歯科医院で「歯周ポケットが深いですね」と言われると、不安に感じる方は少なくありません。

「このまま歯が抜けてしまうのではないか」「手術が必要なのか」「自分で治せるのか」など、いろいろな疑問が出てくると思います。

歯周ポケットが深い状態は、歯ぐきの炎症だけでなく、歯を支える骨の状態とも関係しています。ただし、歯周ポケットが深いからといって、すぐに抜歯や手術が必要になるわけではありません。

まず大切なのは、歯周ポケットがなぜ深くなっているのか、どの程度まで歯周病が進行しているのかを確認することです。

この記事では、歯周ポケットが深いと言われたときに知っておきたいこと、放置するリスク、基本的な歯周病治療で改善しにくい場合に検討される歯周外科治療について解説します。

「歯周病がなかなか治らない」「できるだけ歯を残したい」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

歯周ポケットが深いと言われたら、まず知っておきたいこと

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にある溝のことです。

健康な歯ぐきにも浅い溝はあります。しかし、歯周病によって歯ぐきに炎症が起こると、この溝が深くなり、歯ぐきの奥に汚れや歯石が入り込みやすくなります。

歯科医院で歯周ポケットを測るときは、専用の器具を使って、歯と歯ぐきの間の深さを確認します。少しチクチクした感覚がある検査ですが、歯周病の進行度を知るうえで大切な検査です。

歯周ポケットが深いと言われた場合、単に歯ぐきが腫れているだけではなく、歯を支える骨に影響が出ている可能性もあります。

ただし、数字だけを見て必要以上に不安になる必要はありません。同じ深さでも、出血があるか、歯が揺れているか、レントゲンで骨がどのくらい残っているかによって、治療方針は変わります。

歯周ポケットは何mmから注意が必要?

歯周ポケットの深さは、歯周病の状態を確認する目安のひとつです。

歯周ポケットの深さ状態の目安
1〜3mm程度比較的健康な状態の目安
4〜5mm程度歯周病が進行している可能性がある状態
6mm以上歯ぐきの奥に汚れや歯石が残りやすく、より注意が必要な状態

歯周ポケットが4mm以上になると、歯ぐきの奥に汚れが残りやすくなります。6mm以上になると、歯ブラシだけでは清掃が難しく、歯科医院での専門的な治療が必要になる場合があります。

ただ、歯周ポケットの深さだけで「手術が必要」「抜歯になる」と決まるわけではありません。

歯周ポケットが深いと言われたら、まずは原因と進行度を確認することが大切です。

歯周ポケットが深くなる原因

歯周ポケットが深くなる大きな原因は、歯ぐきのまわりに残った歯垢や歯石です。

歯垢には多くの細菌が含まれています。毎日の歯磨きで落としきれなかった歯垢が歯石になると、歯ブラシでは取り除けません。歯石の表面にはさらに汚れがつきやすくなり、歯ぐきの炎症が続きやすくなります。

炎症が長く続くと、歯ぐきが腫れるだけでなく、歯を支える骨にも影響が出ることがあります。骨が少しずつ失われると、歯ぐきの位置が下がったり、歯周ポケットがさらに深くなったりします。

つまり、歯周ポケットが深い状態は、単に「歯ぐきの溝が深い」というだけではありません。歯周病が進行し、歯を支える土台に負担がかかっているサインとして考える必要があります。

歯ぐきの奥に歯石が残っていることがある

歯石には、歯ぐきの上に見えるものと、歯ぐきの中に隠れているものがあります。

特に注意が必要なのは、歯ぐきの中に付着する歯石です。見た目では分かりにくく、通常の歯磨きでは取り除けません。歯周ポケットが深くなると、歯石がさらに奥へ入り込みやすくなります。

歯ぐきの中に歯石が残っていると、表面的にクリーニングをしても炎症が繰り返されることがあります。

「何度も歯ぐきが腫れる」「歯石を取っても改善しにくい」という場合は、歯ぐきの奥に原因が残っている可能性があります。

噛み合わせや歯ぎしりが関係することもある

歯周ポケットが深くなる原因は、汚れや歯石だけではありません。

歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの偏りが関係することもあります。歯周病によって歯を支える骨が弱っている状態で強い力が加わると、歯の周囲の組織に負担がかかりやすくなります。

その結果、歯が揺れやすくなったり、特定の歯だけ歯周病が進行しやすくなったりすることがあります。

歯周病治療では、歯ぐきだけを見るのではなく、噛み合わせや生活習慣も含めて確認することが大切です。

歯周ポケットが深いまま放置するとどうなる?

歯周ポケットが深い状態をそのままにしていると、歯ぐきの奥に細菌が残りやすくなります。

最初は、歯磨きのときに少し血が出る程度かもしれません。痛みもほとんどなく、「まだ大丈夫」と感じる方も多いです。

しかし、歯周病は痛みが強く出ないまま進行することがあります。炎症が続くと、歯ぐきの腫れ、出血、膿、口臭などの症状につながることがあります。

さらに進行すると、歯を支える骨が少しずつ減り、歯のグラつきにつながることもあります。

歯を支える骨が減ると、グラつきにつながる

歯は、歯ぐきだけで支えられているわけではありません。歯の根のまわりにある骨によって支えられています。

歯周病が進むと、この骨が少しずつ失われていきます。骨が大きく減ると、歯をしっかり支えられなくなり、歯がグラグラすることがあります。

歯の揺れが強くなると、噛みにくい、違和感がある、硬いものが食べにくいといった症状が出ることもあります。さらに進行すると、抜歯が必要になるケースもあります。

次のような症状がある場合は、早めに状態を確認しましょう。

  • ✓歯磨きのときに出血する
  • ✓歯ぐきが腫れることがある
  • ✓口臭が気になる
  • ✓歯が浮いたように感じる
  • ✓歯がグラグラする
  • ✓歯周ポケットが深いと言われたままになっている

歯周病は、気づいたときには進行していることがあります。

歯を残せる可能性を高めるためには、歯周ポケットが深いと言われた段階で早めに状態を確認することが大切です。

歯周外科治療の前に行う基本的な歯周病治療

歯周ポケットが深いからといって、すぐに歯周外科治療を行うわけではありません。

多くの場合、まずは基本的な歯周病治療から始めます。歯磨きの状態を確認し、磨き残しが多い部分や歯ブラシが届きにくい部分を把握します。

そのうえで、歯石除去を行い、歯ぐきの炎症を落ち着かせていきます。歯ぐきの上に見えている歯石だけでなく、必要に応じて歯ぐきの中に付着している歯石も取り除きます。

この段階で歯ぐきの腫れが改善すると、歯周ポケットが浅くなることがあります。出血が減り、歯ぐきが引き締まってくるケースもあります。

大切なのは、治療を一度受けて終わりにしないことです。歯周病は生活習慣やセルフケアの影響を受けやすいため、歯科医院での処置と毎日の歯磨きの両方が必要になります。

治療後に再検査を行う理由

基本治療のあとには、歯ぐきの状態を再検査します。

再検査では、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れ、歯石の残り、噛み合わせなどを確認します。

基本治療によって炎症が落ち着き、歯周ポケットが改善していれば、定期的なメンテナンスへ移行できることがあります。

一方で、歯ぐきの奥深くに歯石が残っていたり、骨の吸収が進んでいたりする場合は、基本治療だけでは深いポケットが改善しにくいことがあります。

そのような場合に、次の選択肢として歯周外科治療を検討します。

歯周病治療の基本的な流れ
1. 検査
歯周ポケットの深さ、出血、歯の揺れ、骨の状態などを確認します
2. 基本治療
歯磨き指導や歯石除去を行い、歯ぐきの炎症を落ち着かせます
3. 再検査
歯周ポケットが改善しているか、深い部分が残っていないかを確認します
4. 必要に応じた治療
改善が難しい部分がある場合、歯周外科治療を検討します

歯周外科治療が必要になるケース

歯周外科治療は、基本的な歯周病治療を行っても改善が難しい場合に検討される治療です。

「歯周外科」と聞くと、いきなり大がかりな手術をするように感じるかもしれません。しかし、歯周外科治療の目的は、歯ぐきの奥に残った感染源を取り除き、歯周病が進みにくい環境を整えることです。

特に、歯周ポケットが深く、通常の方法では歯ぐきの奥にある歯石や感染した組織を十分に取り除けない場合に行うことがあります。

また、歯を支える骨の形が複雑に失われている場合や、歯周ポケットが一部だけ深く残っている場合にも、歯周外科治療を検討することがあります。

深い歯周ポケットが残っている場合

基本治療を行っても、歯周ポケットが深いまま残ることがあります。

その理由のひとつは、歯ぐきの奥に歯石が残っていることです。歯周ポケットが深いほど、器具が届きにくく、見えない状態での処置が難しくなります。

歯ぐきの奥に感染源が残っていると、一時的に腫れが落ち着いても、また炎症を繰り返すことがあります。

このような場合、歯ぐきを一部開いて、歯の根の表面を直接確認しながら歯石や感染した組織を取り除く治療を検討します。

歯を残すために感染源を取り除く必要がある場合

歯周外科治療は、歯を抜くための治療ではありません。

むしろ、状態によっては歯を残すために行う治療として検討されます。

歯周病が進行している歯でも、感染源を取り除き、歯ぐきや骨の状態を整えることで、保存を目指せる場合があります。

もちろん、すべての歯を残せるわけではありません。骨の吸収が大きい場合や、歯の揺れが強い場合、根の破折がある場合などは、別の治療が必要になることもあります。

だからこそ、歯周ポケットの深さだけで判断するのではなく、検査結果をもとに慎重に治療方針を考えることが大切です。

歯周外科治療は、状態によっては歯を残すための選択肢になる治療です。

歯周外科治療ではどのようなことをする?

歯周外科治療といっても、内容はお口の状態によって異なります。

代表的な治療には、フラップ手術や歯周組織再生療法などがあります。どの治療を行うかは、歯周ポケットの深さ、骨の残り方、歯の揺れ、清掃状態などを確認したうえで判断します。

治療の目的は、歯ぐきの奥に残った感染源を取り除き、再び汚れがたまりにくい環境を整えることです。

フラップ手術とは

フラップ手術は、歯ぐきを一部開き、歯の根の表面についた歯石や感染した組織を直接確認しながら取り除く治療です。

通常の歯石除去では見えにくい部分を確認しながら処置できるため、深い歯周ポケットが残っている場合に選択されることがあります。

治療後は、歯ぐきを元の位置に戻して縫合します。処置後は一時的に腫れや違和感が出ることがありますが、状態に応じて痛み止めなどを使用しながら経過を見ていきます。

フラップ手術は、歯周病の原因を取り除くための治療であり、見た目だけを改善する治療ではありません。

歯周組織再生療法を検討することもある

歯周病によって歯を支える骨が失われている場合、状態によっては歯周組織再生療法を検討することがあります。

歯周組織再生療法は、失われた歯周組織の再生を促すことを目的とした治療です。

ただし、すべてのケースで適応になるわけではありません。骨の失われ方や歯の状態、清掃状態、噛み合わせなどによって、適応できるかどうかが変わります。

そのため、歯周組織再生療法を希望する場合でも、まずは精密な検査を行い、治療の適応を確認する必要があります。

治療後のメンテナンスが大切

歯周外科治療を行ったあとも、歯周病が完全に再発しなくなるわけではありません。

歯ぐきの奥の感染源を取り除いても、毎日の歯磨きが不十分だったり、定期的なメンテナンスを受けなかったりすると、再び歯周ポケットが深くなることがあります。

治療後は、歯科医院での定期的なチェックと、毎日のセルフケアを続けることが大切です。

また、歯ぎしりや食いしばりがある方は、噛み合わせの負担にも注意が必要です。必要に応じて、マウスピースなどを検討する場合もあります。

歯周外科治療は、治療を受けて終わりではなく、その後の管理まで含めて考えることが重要です。

▶︎歯周病治療について詳しくはこちら

よくある質問(FAQ)

歯周ポケットが深いと言われた方からは、「治るのか」「手術が必要なのか」「痛いのか」といったご質問を多くいただきます。

ここでは、歯周ポケットや歯周外科治療について、特に相談の多い内容をまとめました。

Q1

歯周ポケット6mmは治りますか?

歯周ポケットが6mmある場合でも、必ず抜歯になるわけではありません。

歯を支える骨の状態や炎症の程度によっては、基本治療や歯周外科治療によって改善を目指せる場合があります。

まずは検査を行い、現在の状態を確認することが大切です。

Q2

歯周ポケットが深いと必ず手術になりますか?

必ず手術になるわけではありません。

まずは歯石除去や歯磨き指導などの基本治療を行い、それでも深いポケットが残る場合に歯周外科治療を検討します。

治療方針は、歯周ポケットの深さだけでなく、骨の状態や歯の揺れなども含めて判断します。

Q3

歯周外科治療は痛いですか?

治療中は麻酔を使用するため、痛みに配慮しながら処置を行います。

治療後に腫れや違和感が出ることはありますが、状態に応じて痛み止めなどを使用します。

不安がある場合は、事前に歯科医師へ相談しておくと安心です。

Q4

歯周外科治療をすれば歯周病は完治しますか?

歯周外科治療は、歯ぐきの奥に残った感染源を取り除き、歯周環境を整えるための治療です。

ただし、治療後のセルフケアや定期的なメンテナンスを続けなければ、再発することがあります。

治療後も、歯科医院での管理と毎日のケアを続けることが大切です。

まとめ|歯周ポケットが深いと言われたら早めに状態を確認しましょう

歯周ポケットが深いと言われると、「このまま歯が抜けてしまうのでは」と不安になる方もいると思います。

しかし、歯周ポケットが深いからといって、すぐに抜歯や手術が必要になるとは限りません。

まずは、歯ぐきの炎症、歯石の付着状態、歯を支える骨の状態、歯の揺れ、噛み合わせなどを確認することが大切です。

基本的な歯周病治療で改善を目指せる場合もあります。一方で、深い部分に汚れや歯石が残っている場合には、歯周外科治療を検討することもあります。

歯周外科治療は、状態によっては歯を残すための選択肢になる治療です。

「歯周ポケットが深いと言われた」「歯周病がなかなか改善しない」「できるだけ歯を残したい」

このようなお悩みがある方は、自己判断で様子を見るのではなく、まずは現在のお口の状態を確認することが大切です。

当院では、歯周ポケットの深さや歯ぐきの炎症、歯を支える骨の状態などを確認し、一人ひとりに合わせた治療方法をご提案しています。

歯周病の進行が気になる方や、歯周外科治療について相談したい方は、早めに当院へご相談ください。

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この記事の監修者

歯科医師:山内 元気

<経歴>

  • 朝日大学歯学部卒業
  • 浜松医科大学医学部付属病院歯科口腔外科 勤務
  • 浜名歯科診療所 勤務
  • ホワイトエッセンス磐田デンタルオフィス 院長
  • 富田歯科 副院長
  • 佐藤歯科診療所 院長
  • げんき歯科開院

<資格・所属学会>

  • 日本口腔インプラント学会
  • 日本アンチエイジング歯科学会 認定医
  • 日本臨床歯周病学会

▶︎院長のプロフィールはこちら

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